青虫の話

去年の今頃から、すごく悩まされているのが
庭のレモンに大量の青虫がやってくること。

ということで、今回は青虫について書くので
虫嫌いの人は注意してください。
でもでも、私の青虫の見方を知ったら青虫を好きになるんじゃないか、

という希望も少しもって書いています。

レモンの木をよーく見ると、とっても小さな卵があります。
アゲハ蝶は、大量に一か所に産むのではなく、あちこちに産むみたいですね。

去年は途中でレモンの葉っぱが無くなってしまい、

庭のあちらこちらで青虫が死んでしまっているのを
泣きながら見ていました。

 

「もう大人なのだから、青虫で泣くなんて・・・。」と弟に馬鹿にされましたが

青虫が蝶になれる確率は100匹に一羽です。

天敵に食べられたり、寄生虫に食べられたり。

やっと蛹になったと思ったのに、蝶にならないこともたくさんあります。

 

葉っぱがなくなって餓死するのも、自然の一つなのかもしれません。

私たちがレモンを食べたいと思うとき、青虫がつかないよう農薬がまかれます。

私の家の青虫くらい、幸せを願いたくなってしまうのです。

 

今年は、2つあるレモンの木のうちの鉢植えのほうは

早い段階で家の中に入れました。

卵が付く前に、と思ったのですが、気づいたら1匹生まれていました。

同じようにライムの木も2匹生まれていました。

 

最初、蝶の幼虫は鳥のフンのような白黒の姿をしています。

脱皮を繰り返すうちに青くなって、最後は蛹になるために育った木を降りて

蛹になるのに心地よい場所を探しに行きます。

青虫になった姿はとてもきれいで、葉をぱりぱり食べる音とか平和で

ずっとずっと見てしまいます。

青虫は天敵に見つからないよう、レモンの枝に姿を似せていて

私もたまにわからなくなります。

でもその巧妙さが素晴らしくて、なんて奇麗なのかと。

よく見ると、頭に見える部分に、古代文字みたいな模様もあります。

誰に教わったの?不思議だなぁと眺めてしまいます。

 

今年は初めて、青虫が木から降りる瞬間を見ることができました!!

木から降りる1日くらい前から、その青虫は葉っぱを食べなくなります。

排泄物をすべて体から出して、蛹になるようです。

ただしばらくじっと、枝につかまっています。

 

糞をたくさんした後、ゆっくりゆっくり、枝を降りて

鉢に到着しました。

鉢の高さは地面から30センチほどあります。

青虫は鉢を一周した後、体を精一杯伸ばしてゆっくり地面を見ていました。

人間が首を伸ばすように、下をうかがった後、ぽとん、と

地面の一番柔らかい場所、落ちた葉がたまっている場所に落ちました。

その後もゆっくり動いては止まり、動いては止まり

首を伸ばしてあたりを見回しながら

自分が蛹になる場所を探しに行きました。

 

誰にも教わっていないのに、どうして葉の上は柔らかいってわかったんだろう。

どうして育った木から降りるんだろう。

 

だいたいの青虫はどこに行ったのかわからないのですが

偶然にその青虫は、私の家の外壁で蛹になるように決めました。

 

それから2日間、見た目は青虫のまま

ずっと壁にくっついています。

2日たった後、気づいたらとてもきれいな蛹になっていました。

 

生まれたときからずっといたレモンの木を降りるときの潔さ

行ったことのない地面をただただひとり、歩いて進む勇気に感動してしまいます。

 

自然ってすごいなぁと。

なんて奇麗でかわいいんだろう、と青虫に思ってしまいます。

 

今年は1本のレモンの木を部屋に入れたので

そこまで大量に青虫は生まれず、私は泣くことはないと思います・・・(笑)

 

でも休みの日はずっと青虫を眺めて

彼らの勇気や奇麗さに感動して泣いてしまいそうです。

 

こうやって自然を感じるとき

私は小さな頃の自分に戻ったみたいで

いろんな大人の責任や考えなくちゃいけないことから解放されます。

 

今月は、高尾山に行ったり、山小屋キャンプに行く予定があります。

またいつもよりも身軽になって帰ってこられるんだろうなぁ。

 

田んぼに稲が植えられて、カエルの合唱が聞こえたり

みどりが茂って夏に向かうこの季節、私の大好きな季節です。